トヨタ公式のカーリース「KINTO」と、「残クレ(残価設定型クレジット/残価設定型ローン)」の違いに戸惑う人は多い。
どちらも「残価を設定して月々の支払い額を抑えられる」という点で共通しているが、サービス内容は根本から違う。
そこで本記事では、KINTOと残クレの違いをわかりやすく紹介する。
また、「KINTOと残クレはどっちがお得なの?」という疑問に答えるために、人気5車種の支払い総額をシミュレーション・比較している。
「KINTOと残クレの違いが知りたい」
「どっちを利用すべきか迷っている」
という人は、ぜひ参考にしてもらいたい。
\KINTOをもっと知りたい人は/
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トヨタのKINTOと残クレって何が違うの?

KINTOと残クレには大きく分けて5つの違いがある。
まずは、5つの違いを簡単にまとめた表を見てほしい。
KINTO | 残クレ | |
申し込みから 契約までの流れ | オンラインで完結 | 販売店に行く必要あり |
支払い額に 含まれるもの | 車両代金 販売諸費用 自動車税環境性能割 自動車税種別割 自動車重量税 自賠責保険料 車検費用 各種メンテナンス費用 任意保険料 | 車両代金 販売諸費用 自動車税環境性能割 自動車税種別割(登録時のみ) 自動車重量税(登録時のみ) 自賠責保険料(登録時のみ) 支払利息 |
中途解約は可能か | ◯ 解約金ゼロのプランあり | × 繰り上げ一括返済は可能 |
最終的な車の扱い | 返却する 乗り換える | 残価を支払い車をもらう 新たにローンを組む 残価精算し返却する 下取りして乗り換える |
会計上の扱い | 「リース料」として経費計上 | 減価償却して経費計上 |
この表のとおり、KINTOと残クレはサービス内容は根本から違う。
それでは、違いごとに詳しく紹介していく。
KINTOと残クレの違い1. 申し込みから契約までの流れ
KINTOの申し込みから契約までの流れは、すべてオンラインで完結する。
\KINTOの申し込みから納車までの流れ/

一方で、残クレは新車ディーラーや販売店で直接申し込むケースがほとんどであり、販売店に何度か足を運ばなければいけない。
これに手間を感じる人も多いだろう。
KINTOなら車の見積りや申し込み、契約まですべてオンラインで完結するため、手間なく新車に乗れる。
KINTOと残クレの違い2. 毎月の支払い額に含まれるもの
KINTOと残クレでは、毎月の支払い額に含まれるものが大きく異なる。
以下は、KINTOの支払い額に含まれるものだ。
KINTOの月額料金に含まれるもの
車両本体価格、登録諸費用、車庫証明取得費用、自動車税(軽自動車税)環境性能割、契約期間中の自動車税(軽自動車税)種別割・自動車重量税・自賠責保険料・任意保険(自動車保険)料・車検費用・メンテナンス費用
※ 一部の車種においてはソフトアップグレード、T-Connect基本サービスも含まれる
ご覧のとおり、KINTOは新車の購入・維持にかかるあらゆる費用が、毎月の支払い額に含まれている。
ちなみに、任意保険まで毎月の支払い額に含まれているのは、数あるカーリースの中でもKINTOだけだ。
一方、残クレの毎月の支払い額には車両代金と販売諸費用、登録時の税金と自賠責保険、そして支払い利息が含まれている。
KINTOと残クレの毎月の支払い額や支払い総額を比較すると、残クレの方が安く見える。
しかし実際は、さまざまな維持費用まで含めて考えると、KINTOの方が安くなるケースが多い。
これについては本記事の、トヨタのKINTOと残クレは結局どっちがお得?で詳しく紹介している。
KINTOと残クレの違い3. 中途解約が可能かどうか
KINTOと残クレは、どちらも契約期間中の中途解約が可能だ。
ただし、解約方法や解約時にかかる費用が異なる。
KINTOは、「中途解約金+未払いリース料」の合計を支払うことで中途解約できる。
\KINTOの中途解約時の精算金(3年契約の場合)/

また、KINTOには解約金ゼロでいつでも中途解約可能な「解約金フリープラン」がある。
契約期間中に解約する可能性のある人は、KINTOの解約金フリープランがおすすめだ。
一方の残クレは、正確には中途解約ではなく「繰り上げ一括返済によるローン完済」という扱いになる。
残りの支払い額と契約時に設定した残価の合計を一括で返済すれば、実質的に残クレを中途解約可能だ。
KINTOと残クレの違い4. 契約満了/支払い完了時の車の扱い
KINTOと残クレの大きな違いは、「契約満了/支払い完了時の車の扱い」だ。
KINTOは返却を前提としたカーリースであるため、契約満了後は車を返却するか、返却した上で他の新車に乗り換えることができる。
一方、残クレの支払い完了時には、以下の4つの選択肢がある。
- 残価を一括で返済し車を自分のものにする
- 残価で新しいローンを組み支払いを継続する
- 残価精算を行い差額を支払うまたは受け取る
- 車を下取りして新しい車に乗り換える
このように、契約満了/支払い完了時の選択肢は残クレの方が多い。
また、残クレはローンであるため、残価の一括返済を行ったり新たにローンを組んだりすれば、最終的には車が自分のものになる。
KINTOと残クレの違い5. 法人・個人事業主の会計処理
法人・個人事業主が利用する場合、KINTOと残クレでは会計処理のやり方が異なる。
KINTOはリース契約(オペレーション・リース)に該当するため、車は「資産」ではなく「経費」の扱いになる。
したがって、KINTOの毎月の支払い額は全額、「リース料」などの勘定科目で経費計上できる。
一方で、残クレを組んで取得した車は「資産」の扱いになるため、減価償却による経費計上が必要だ。
また、税金や保険料などは異なる勘定科目で経費計上しなければならないため、残クレの会計処理は複雑である。
KINTOなら車の購入・維持に必要なあらゆる費用が毎月の支払い額に含まれているため、税金や保険料などを個別に経費計上する必要がなく、会計処理がかなり楽になる。
トヨタのKINTOと残クレは結局どっちがお得?

KINTOと残クレの違いを知るにあたって、「どっちがお得か?」は重要なポイントだ。
ここでは、KINTOで契約できる以下の人気5車種を取り上げる。
- トヨタ カローラ クロス
- トヨタ ヤリス
- トヨタ アルファード
- レクサス UX
- スバル フォレスター
それぞれ、KINTO(5年契約)で利用した場合と、残クレ(60回払い・金利3.9%)で購入した場合の、支払い総額をシミュレーション・比較する。
※ レクサス車種は3年契約のみであるため3年間の支払い総額をシミュレーション・比較
【トヨタ カローラ クロス】のシミュレーション・比較
KINTO (5年契約) | 残クレ (60回払い・金利3.9%) | |
車両代金 | 月額料金に含む | 2,793,000円 (内残価:1,117,200円) |
税金・諸費用 | 142,050円 | |
任意保険料 | 672,546円 | |
車検・メンテ費用 | 259,500円 | |
分割手数料 | 386,014円 | |
支払い総額 | 3,115,200円 | 3,867,096円 |
差額 | KINTOが「751,896円」安い | |
月々の支払い額 | 51,920円 | 初回:32,200円 2回目以降:31,900円 |
比較条件 | ||
車種 | トヨタ カローラ クロス | |
グレード | G ハイブリッド 1.8L 2WD | |
ボディカラー | プラチナホワイトパールマイカ |
※ 公式サイト上で確認できる月額料金であり、実際の月額料金は契約プランによって異なる場合がある
※ 残価(5年後の据え置き下取価格)は車両価格に対して40%に設定
※ 税金・諸費用は新車登録時と5年間の税金・自賠責保険料と、販売時諸費用の合計金額
※ 任意保険料は補償内容をKINTOと合わせ、6等級スタートで毎年1等級ずつ上がることを想定
※ 車検・メンテ費用は車検1回、オイル・オイルエレメント交換5回、タイヤ交換・バッテリー交換1回ずつ、その他諸々メンテの合計金額
※ 残クレは最終回で残価を一括で支払い車を取得することを想定
【トヨタ ヤリス】のシミュレーション・比較
KINTO (5年契約) | 残クレ (60回払い・金利3.9%) | |
車両代金 | 月額料金に含む | 1,690,700円 (内残価:676,280円) |
税金・諸費用 | 303,340円 | |
任意保険料 | 556,233円 | |
車検・メンテ費用 | 255,100円 | |
分割手数料 | 233,666円 | |
支払い総額 | 2,178,000円 | 2,805,373円 |
差額 | KINTOが「627,373円」安い | |
月々の支払い額 | 36,300円 | 初回:21,100円 2回目以降:24,340円 |
比較条件 | ||
車種 | トヨタ ヤリス | |
グレード | X ガソリン 1.0L 2WD | |
ボディカラー | プラチナホワイトパールマイカ |
※ 公式サイト上で確認できる月額料金であり、実際の月額料金は契約プランによって異なる場合がある
※ 残価(5年後の据え置き下取価格)は車両価格に対して40%に設定
※ 税金・諸費用は新車登録時と5年間の税金・自賠責保険料と、販売時諸費用の合計金額
※ 任意保険料は補償内容をKINTOと合わせ、6等級スタートで毎年1等級ずつ上がることを想定
※ 車検・メンテ費用は車検1回、オイル・オイルエレメント交換5回、タイヤ交換・バッテリー交換1回ずつ、その他諸々メンテの合計金額
※ 残クレは最終回で残価を一括で支払い車を取得することを想定
【トヨタ アルファード】のシミュレーション・比較
KINTO (5年契約) | 残クレ (60回払い・金利3.9%) | |
車両代金 | 月額料金に含む | 5,605,000円 (内残価:2,242,000円) |
税金・諸費用 | 562,440円 | |
任意保険料 | 886,606円 | |
車検・メンテ費用 | 264,356円 | |
分割手数料 | 774,670円 | |
支払い総額 | 5,101,800円 | 7,318,402円 |
差額 | KINTOが「2,216,602円」安い | |
月々の支払い額 | 85,030円 | 初回:107,220円 2回目以降:102,900円 |
比較条件 | ||
車種 | トヨタ アルファード | |
グレード | Z ガソリン 2.5L 2WD | |
ボディカラー | プレシャスレオブロンド |
※ 公式サイト上で確認できる月額料金であり、実際の月額料金は契約プランによって異なる場合がある
※ 残価(5年後の据え置き下取価格)は車両価格に対して40%に設定
※ 税金・諸費用は新車登録時と5年間の税金・自賠責保険料と、販売時諸費用の合計金額
※ 任意保険料は補償内容をKINTOと合わせ、6等級スタートで毎年1等級ずつ上がることを想定
※ 車検・メンテ費用は車検1回、オイル・オイルエレメント交換5回、タイヤ交換・バッテリー交換1回ずつ、その他諸々メンテの合計金額
※ 残クレは最終回で残価を一括で支払い車を取得することを想定
【レクサス UX】のシミュレーション・比較
KINTO (3年契約) | 残クレ (36回払い・金利3.9%) | |
車両代金 | 月額料金に含む | 5,241,000円 (内残価:2,625,000円) |
税金・諸費用 | 209,850円 | |
任意保険料 | 471,123円 | |
メンテ費用 | 60,000円 | |
分割手数料 | 462,230円 | |
支払い総額 | 3,207,600円 | 5,981,973円 |
差額 | KINTOが「2,774,373円」安い | |
月々の支払い額 | 89,100円 | 初回:92,680円 2回目以降:88,000円 |
比較条件 | ||
車種 | レクサス UX | |
グレード | UX300h "F SPORT" 2WD | |
ボディカラー | ホワイトノーヴァガラスフレーク |
※ 公式サイト上で確認できる月額料金であり、実際の月額料金は契約プランによって異なる場合がある
※ 残価(3年後の据え置き下取価格)は車両価格に対して50%に設定
※ 税金・諸費用は新車登録時と5年間の税金・自賠責保険料と、販売時諸費用の合計金額
※ 任意保険料は補償内容をKINTOと合わせ、6等級スタートで毎年1等級ずつ上がることを想定
※ メンテ費用はオイル・オイルエレメント交換3回、その他諸々メンテの合計金額
※ 残クレは最終回で残価を一括で支払い車を取得することを想定
【スバル フォレスター】のシミュレーション・比較
KINTO (5年契約) | 残クレ (60回払い・金利3.9%) | |
車両代金 | 月額料金に含む | 4,048,000円 (内残価:1,619,200円) |
税金・諸費用 | 489,800円 | |
任意保険料 | 704,564円 | |
車検・メンテ費用 | 264,356円 | |
分割手数料 | 559,491円 | |
支払い総額 | 4,494,600円 | 5,506,720円 |
差額 | KINTOが「1,012,120円」安い | |
月々の支払い額 | 74,910円 | 初回:53,540円 2回目以降:50,600円 |
比較条件 | ||
車種 | スバル フォレスター | |
グレード | SPORT 1.8L ターボ AWD | |
ボディカラー | マグネタイトグレー・メタリック |
※ 公式サイト上で確認できる月額料金であり、実際の月額料金は契約プランによって異なる場合がある
※ 残価(5年後の据え置き下取価格)は車両価格に対して40%に設定
※ 税金・諸費用は新車登録時と5年間の税金・自賠責保険料と、販売時諸費用の合計金額
※ 任意保険料は補償内容をKINTOと合わせ、6等級スタートで毎年1等級ずつ上がることを想定
※ 車検・メンテ費用は車検1回、オイル・オイルエレメント交換5回、タイヤ交換・バッテリー交換1回ずつ、その他諸々メンテの合計金額
※ 残クレは最終回で残価を一括で支払い車を取得することを想定
車の所有にこだわらないならKINTOの方がお得!
ここまで紹介したシミュレーション・比較を、車種別にまとめてみよう。
\KINTO・残クレの5年間支払い総額比較/
KINTO | 残クレ | 差額 | |
トヨタ カローラ クロス | 3,115,200円 | 3,867,096円 | -751,896円 |
トヨタ ヤリス | 2,178,000円 | 2,805,373円 | -627,373円 |
トヨタ アルファード | 5,101,800円 | 7,318,402円 | -2,216,602円 |
レクサス UX | 3,207,600円 | 5,981,973円 | -2,774,373円 |
スバル フォレスター | 4,494,600円 | 5,506,720円 | -1,012,120円 |
※ 「レクサス UX」は3年契約のみであるため3年間の支払い総額を比較
シミュレーション・比較の結果、いずれの車種でもKINTOを利用する方が、支払い総額が安いことがわかった。
「KINTOは高すぎる」と言われるが、よくよく計算してみると、KINTOの方がお得になるケースも多い。
一方で、KINTOは契約満了時に車を返却しなければならない。
残クレは、残価を一括で支払ったり新たにローンを組んだりすれば、支払い完了後に車が自分のものになるためその点で大きく異なる。
したがって、「KINTOと残クレはどっちが自分に合っているか?」を知りたい場合は、それぞれの特徴やメリット・デメリットをしっかりと把握することが大切だ。
トヨタのKINTOは誰におすすめ?特徴とメリット・デメリット

KINTOは、トヨタ公式のカーリース(クルマのサブスク)だ。
車の購入・維持に必要なさまざまな費用が月額料金に含まれているため、利用者はガソリン代・駐車場代以外の費用を気にする必要がない。
2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)には初の最終黒字に転じ、20代・30代を中心に利用者が増え続けている。
KINTOのメリット
KINTOを利用するメリットは、以下のとおりだ。
KINTOのメリット
- 自動車業界大手の公式カーリースだから安心できる
- メンテナンスも保険料もぜんぶ月額にコミコミ
- 正規ディーラーで車検やメンテナンスを受けられる
- 事故を起こしても保険等級が下がらない
- 車の全損・盗難でも解約金などを請求されない
- 家族や友人が運転しても同じように補償が適用される
- 残価精算がないから契約満了時の不意の出費を避けられる
- KINTOでしか取り扱っていないグレードがある
- 信販会社はトヨタ系列だから審査に通りやすい
- 他社と比較すると意外と支払い総額が安い(コスパが高い)
- KINTO優先枠があるから新車納期が比較的短い
このように、KINTOは数あるカーリースの中でもメリットが特に多い。
毎月の支払いとガソリン代・駐車場代だけで、トヨタ・レクサス・スバルの新車に乗れるのはKINTOの大きな魅力だ。
KINTOのデメリット
メリットが多い一方で、KINTOには以下のようなデメリットがある。
KINTOのデメリット
- 月額料金が高すぎる
- 保険のノンフリート等級を引き継げない
- トヨタ・レクサス・スバルしか選べない
- 9年・11年の長期契約プランがない
- 契約満了で車を返さなければならない
- 走行距離制限を選べない
- 車を自由にカスタマイズできない
- ペット乗車・喫煙が制限されている
KINTOの月額料金は確かに高いが、それは税金や車検・メンテナンス、任意保険などあらゆる費用が含まれているためだ。
本記事で紹介しているように、支払い総額でシミュレーション・比較してみると、KINTOの方がお得になるケースが多い。
KINTOのデメリットについては、以下の記事で詳しく紹介している。
KINTOが向いてる人の特徴
以下のいずれかの特徴に当てはまる人は、KINTOの利用が向いている。
KINTOが向いてる人の特徴
- 車を所有することにこだわらない
- トヨタ・レクサス・スバルの新車に乗りたい
- 毎月の車の支出をフラットにしたい
- 税金の支払いや車検など面倒ごとを丸投げしたい
- 数年後の中古車相場に気持ちを左右されたくない
- 家族や友人と車をシェアすることがある
- 走行距離制限が長いカーリースを利用したい
- 車を経費として処理したい(法人・個人事業主)
- マイカーローンの審査に落ちたことがある
このように、KINTOは幅広い人におすすめのカーリースだ。
いずれかの特徴に当てはまる人は、KINTOで乗りたい車を選び、審査に申し込んでみてほしい。
残クレは誰におすすめ?特徴とメリット・デメリット

残クレは「残価設定型クレジット(残価設定型ローン)」の略であり、残価(支払い最終回の下取り予定価格)を設定するタイプのローンサービスだ。
残クレのメリット
残クレを利用するメリットは、以下のとおりだ。
残クレのメリット
- 通常のマイカーローンよりも金利が低め
- 月々の支払い額を抑えられる
- 支払い完了時の下取り価格が保証される
- 審査に比較的通りやすい
残クレは通常のマイカーローンに比べて、月々の支払い額を抑えられるのが大きなメリットだ。
ただし、支払い総額が安くなるわけではなく、むしろ通常のマイカーローンよりm支払い総額は高い。
残クレのデメリット
残クレには以下のようなデメリットもある。
残クレのデメリット
- 通常のマイカーローンよりも支払い総額が高い
- 残価にも金利がかかっている
- 条件を満たさないと下取り価格が保証されない
残クレは数年後の下取り価格が保証されるメリットはあるが、条件を満たさないと保証されない可能性があるため注意してほしい。
下取り価格保証の主な条件とは、「カスタマイズ禁止」と「走行距離制限」だ。
ディーラーやローン会社ごとに下取り価格保証の条件は異なるため、残クレを利用する際は保証条件などをしっかりと確認しよう。
残クレが向いてる人の特徴
以下のいずれかの特徴に当てはまる人は、残クレの利用が向いている。
残クレが向いてる人の特徴
- 車を所有することに価値があると考えている
- まとまった資金はないが新車がほしい
- 走行距離が短く事故を起こすリスクが低い
残クレは通常のローンと比べて支払い総額は高くなるが、「最終的に車を所有できる」のが大きな魅力だ。
KINTOは契約満了時に車を返却する必要があるため、「どうしても車を所有したい」という人は残クレを検討しよう。
トヨタのKINTOと残クレはここに注意!

KINTOと残クレには、共通する注意点が4つある。
- 走行距離に制約がある
- 修復費用が発生する可能性がある
- ペットの乗車・喫煙は原則禁止
- 車のカスタマイズは原則禁止
それぞれ詳しく紹介するため、利用前にしっかりと把握しておこう。
注意点1. 走行距離に制約がある
KINTOと残クレはどちらも、残価を設定した上で月々の支払い額を抑えている。
そのため、契約満了/支払い完了時の残価を維持するために「走行距離制限」が設けられている。
KINTOの走行距離制限は、1,500km/月(年間18,000km)とたっぷりめに設定されているが、残クレの走行距離制限は契約内容によって異なるため契約時にしっかりと確認しよう。
ちなみに、走行距離制限を超えて走行すると、KINTOの場合は超過1kmあたり11円(税込)の超過料金を請求される(レクサス車種は22円)。
一方、残クレで走行距離制限を超えて走行すると、下取り価格保証の条件を満たせず、下取り価格が下がるため注意してほしい。
注意点2. 修復費用が発生する可能性がある
KINTOと残クレはどちらも、契約満了/支払い完了時の原状回復が必要だ(残クレで残価を支払う場合は不要)。

車にキズやヘコみがあると、最後に原状回復費用を請求される可能性があるため注意しよう。
注意点3. ペットの乗車・喫煙は原則禁止
KINTOと残クレはどちらも、ペットの乗車・喫煙は原則禁止されている。
これは、契約満了/支払い完了時の車の残価を維持するための条件であり、原状回復費用の請求や下取り価格の減額といったリスクを避けるために守る必要がある。
ただし、KINTOはペットの乗車は禁止されていないため、「ケージに入れて乗せる」などの対処をすれば汚れやニオイの付着を避けられるだろう。
また、残クレで残価を支払って車を所有するつもりの場合は、ペットの乗車・喫煙のどちらもOKだ。
注意点4. 車のカスタマイズは原則禁止
KINTOと残クレはどちらも、残価を維持するために車のカスタマイズが原則禁止されている。
タイヤのホイール交換など、原状回復が簡単なカスタマイズについては認められているが、エアロパーツの装備など原状回復が難しいカスタマイズは避けよう。
ただし、KINTOで契約するGRグレードの車は、一部カスタマイズが認められている。
また、残クレで残価を支払って車を所有するつもりの場合は、自由にカスタマイズできる。
トヨタのKINTOと残クレについてよくある質問

ここでは、トヨタのKINTOと残クレについてよくある質問を紹介する。
KINTOは残クレなの?
KINTOはトヨタ公式のカーリースであり、残クレではない。
「残価を設定して月々の支払い額を抑える」という点でKINTOと残クレは共通しているが、サービス内容が根本的に違う。
KINTOと残クレの大きな違いはなに?
KINTOと残クレの大きな違いは以下の5つだ。
KINTO | 残クレ | |
申し込みから 契約までの流れ | オンラインで完結 | 販売店に行く必要あり |
支払い額に 含まれるもの | 車両代金 販売諸費用 自動車税環境性能割 自動車税種別割 自動車重量税 自賠責保険料 車検費用 各種メンテナンス費用 任意保険料 | 車両代金 販売諸費用 自動車税環境性能割 自動車税種別割(登録時のみ) 自動車重量税(登録時のみ) 自賠責保険料(登録時のみ) 支払利息 |
中途解約は可能か | ◯ 解約金ゼロのプランあり | × 繰り上げ一括返済は可能 |
最終的な車の扱い | 返却する 乗り換える | 残価を支払い車をもらう 新たにローンを組む 残価精算し返却する 下取りして乗り換える |
会計上の扱い | 「リース料」として経費計上 | 減価償却して経費計上 |
詳しくは、本記事のトヨタのKINTOと残クレって何が違うの?の章で紹介している。
KINTOも残価を設定してるの?
KINTOも残価を設定しているが、「クローズドエンド方式」の契約であるため残価額が公開されていない。
\クローズドエンドとオープンエンドの違い/

KINTOはクローズドエンド方式の契約であるため、契約満了時に残価精算が行われないメリットがある。
ディーラーが残クレをよく勧めるのはなぜ?
ディーラーが残クレをよく勧める理由は、以下のようなメリットがあるからだ。
- 通常のマイカーローンよりも金利を低めに設定できる
- 数年後に新車に乗り換えてもらえる可能性がある
- 数年後に状態の良い中古車が手に入る可能性がある
残クレは設定した残価にも金利がかかるため、通常のマイカーローンよりも金利を低くしても支払い総額が高くなるカラクリがある。
金利を低めに設定できるため商談に有利であり、しかも数年後には新車に乗り換えてもらえる可能性や、状態の良い中古車が手に入る可能性もある。
このように、残クレはディーラー側のメリットが大きいため、新車購入時にはほぼ100%勧められるサービスだ。
ただし、ディーラー側のメリットが大きいからといって、利用者側が損をするわけではない。
残クレのメリット・デメリットをしっかりと把握した上で、自分に合ったサービスかどうかを冷静に判断することが大切だ。
KINTOは契約満了後に車をもらえるの?
KINTOは契約満了で車を返却するカーリースであるため、車はもらえない。
「契約満了後の車をもらえるカーリースを利用したい」という人は、以下の記事を参考にしてほしい。
KINTOと残クレはどっちがお得なの?
契約期間/支払い回数を揃えて比較すると、KINTOの方がお得なケースが多い。
ただし、車両価格や残クレの金利、数年後の中古車市場価格などによってどちらがお得かが変わる。
支払い総額のシミュレーション・比較については、本記事のトヨタのKINTOと残クレは結局どっちがお得?を参考にしてほしい。
おわりに:トヨタのKINTOと残クレは一長一短!特徴を知って自分に合ったサービスを選ぼう

本記事で紹介した内容をまとめる。
<KINTOと残クレの違い>
- 違い1. 申し込みから契約まで
KINTO:オンラインで完結
残クレ:販売店に行く必要あり - 違い2. 支払い額に含まれるもの
KINTO:ガソリン代・駐車場代を除くすべて
残クレ:車の乗り出し費用と利息のみ - 違い3. 中途解約できるかどうか
KINTO:できる(専用プランもあり)
残クレ:繰上げ一括返済ができる - 違い4. 最終的な車の扱い
KINTO:必ず返却する
残クレ:所有できる - 違い5. 会計処理の方法
KINTO:全額経費計上できる
残クレ:減価償却した上で経費計上できる
<KINTOが向いてる人の特徴>
- 車を所有することにこだわらない
- トヨタ・レクサス・スバルの新車に乗りたい
- 毎月の車の支出をフラットにしたい
- 税金の支払いや車検など面倒ごとを丸投げしたい
- 数年後の中古車相場に気持ちを左右されたくない
- 家族や友人と車をシェアすることがある
- 走行距離制限が長いカーリースを利用したい
- 車を経費として処理したい(法人・個人事業主)
- マイカーローンの審査に落ちたことがある
<残クレが向いてる人の特徴>
- 車を所有することに価値があると考えている
- まとまった資金はないが新車がほしい
- 走行距離が短く事故を起こすリスクが低い
KINTOと残クレは、どちらにもメリット・デメリットがある。
大切なのは、それぞれの特徴やメリット・デメリットをしっかりと把握した上で、自分に合ったサービスを選ぶことだ。
ただし、総合的に考えてKINTOの方がお得なケースが多く、車のさまざまな維持費が月額料金に含まれているというメリットが大きい。
KINTOと残クレのどちらを利用すべきか迷ったら、KINTOを優先的に検討してみよう。