カーリースを利用するにあたっては、「車庫証明」の取得が欠かせない。
初めて車を利用する人の中には、「車庫証明ってなに?」「どうやって取得するの?」という人も多いだろう。
そこで本記事では、カーリースの利用に欠かせない車庫証明の取り方や申請書の書き方を、わかりやすく紹介する。
カーリースをスムーズに利用するためにも、車庫証明の取り方や申請書の書き方をここで知っておこう。
カーリースに欠かせない車庫証明とは?

車庫証明(自動車保管場所証明書)とは、使用する車の保管場所があることを証明するものだ。
なぜ車庫証明が必要かというと、法律によって道路以外の場所に車の保管場所を確保することが義務付けられているからだ(車庫法 第3条より)。
また、車庫証明がなければ、新車登録や車の名義変更は行えないことになっている。
カーリースの契約も車庫証明は必須
カーリースは、利用者が信販会社(オートリース会社)から車を借りるサービスだ。
\カーリース・信販会社・利用者の関係/

「借りる」とはいえ、車検証の「使用者欄」はカーリースの利用者名義となるため、利用者による車庫証明の取得が欠かせない。
\実際の車庫証明/

車庫証明がないと新車登録が行えないため、車を納車できない。
したがって、すべてのカーリースは契約時に車庫証明の提出が必須であり、車庫証明がないと契約を進められない。
車庫証明を取得するタイミング
カーリースをスムーズに利用するためにも、車庫証明は事前に取得しておくことをおすすめする。
車庫証明取得のベストタイミングは、カーリースで利用する車種が決まり、審査に通過して契約を進めているときだ。
車庫証明の申請書には、「車名」「型式」を最低限記入しなければならない。
利用する車種が決まり、契約を進めている段階でないと「車名」「型式」は確定されないため、これらの情報を記入できないからだ。
「車台番号」については、メーカーから車が出荷されてはじめて判明する番号だ。
そのため、車庫証明の申請書を警察署に提出するときに、「新車だから車台番号がわからない」と申告すれば、記入する必要はない。
ただし、管轄の警察署によっては車台番号がわかり次第、再び警察署に足を運んで車台番号を伝える必要がある。
※ 中古車カーリースは車台番号が決まっているため担当者に確認しよう
取得が難しい人は代行をお願いしよう
「車庫証明の申請書の書き方がよくわからない」「時間がない」「面倒くさい」という人は、カーリースに車庫証明の取得代行をお願いしよう。
ほとんどのカーリースは、車庫証明の取得代行に対応している。
車庫証明の取得には申請書の記入から提出、車庫証明の交付など、それなりに時間が取られる。
取得代行をお願いすれば、時間を使うことなく車庫証明を取得できるのでおすすめだ。
ただし、車庫証明の取得代行には10,000〜30,000円ほどの代行費用がかかる。
実際にどれくらいの代行費用がかかるかはカーリースによって異なるので、担当者に確認しよう。
ちなみに、カーリースによっては車庫証明の取得代行費用が、リース契約に含まれている場合がある。
車庫証明の取得代行費用が含まれているかどうかは、契約を進める段階で担当者に確認しよう。
令和7年4月1日より保管場所標章が廃止
「保管場所標章」とは、車庫証明の申請を終え、車庫証明とともに交付されていた車庫証明シールのことだ。
\保管場所標章の見本/

この保管場所標章は、令和7年(2025年)4月1日に廃止されている。
これに伴い、車庫証明の申請が受理され、警察署長の署名がされた書類が交付された時点で車庫証明は完了となる。
【注意】軽自動車は地域によって届出が必要
車庫証明を必要とするのは「普通車(普通自動車)」のみであり、軽自動車の取得は不要となっている。
ただし、以下の地域に駐車場がある場合は「自動車保管場所の届出」が必要だ。
届出が必要な地域(適用地域) | |
北海道 | 札幌市、函館市、旭川市、小樽市、江別市、苫小牧市、室蘭市、帯広市、釧路市、北見市 ※2000年6月1日時点において町または村であった地域を除く |
東京 | 23区全域、八王子市、立川市、武蔵野市、三鷹市、青梅市、府中市、昭島市、調布市、町田市、小金井市、小平市、日野市、東村山市、国分寺市、国立市、狛江市、東大和市、清瀬市、東久留米市、多摩市、稲城市、西東京市 |
千葉 | 千葉市、市川市、船橋市、木更津市、松戸市、野田市、佐倉市、習志野市、柏市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、浦安市 ※旧関宿町(現野田市)、旧沼南町(現柏市)を除く |
埼玉 | さいたま市、上尾市、蕨市、戸田市、川口市、春日部市、草加市、八潮市、三郷市、越谷市、所沢市、狭山市、入間市、朝霞市、志木市、和光市、新座市、富士見市、ふじみ野市、川越市、熊谷市、深谷市 ※旧庄和町、旧大井町、旧大里町、旧妻沼町、旧江南町、旧岡部町、旧川本町、旧花園町を除く |
神奈川 | 横浜市、川崎市、藤沢市、横須賀市、相模原市(津久井警察署管内は除く)、平塚市、厚木市、大和市、茅ヶ崎市、小田原市、鎌倉市、秦野市、座間市、海老名市 ※市町村合併があった場合、合併前が適用地域外であれば合併後も届出は不要 |
愛知 | 名古屋市、瀬戸市、春日井市、小牧市、一宮市、半田市、刈谷市、安城市、岡崎市、豊田市、豊川市、豊橋市 ※旧木曽川町、旧尾西市、旧額田町、旧藤岡町、旧小原村、旧旭町、旧稲武町、旧足助町、旧下山村、旧一宮町、旧音羽町、旧御津町、旧小坂井町を除く |
大阪 | 大阪市、豊中市、池田市、吹田市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、松原市、大東市、箕面市、柏原市、門真市、摂津市、高石市、交野市、岸和田市、泉大津市、寝屋川市、羽曳野市、藤井寺市、東大阪市、四條畷市、堺市、大阪狭山市、富田林市、和泉市、河内長野市 ※美原区を除く |
福岡 | 福岡市、北九州市、久留米市、大牟田市 ※旧田主丸町、旧北野町、旧三潴町、旧城島町を除く |
本記事では、「自動車保管場所の届出」の取り方や書き方も紹介しているので、引き続き参考にしてほしい。
車庫証明の取り方

ここでは、車庫証明(軽自動車の場合は届出)の取り方を紹介する。
ステップ1. 車庫証明の申請書をもらう
まずは、最寄りの警察署で車庫証明の申請書をもらおう。
車庫証明の取得に必要な申請書については、車庫証明の申請書と書き方の章にて紹介している。
また、車庫証明の申請書は警視庁または警察の公式サイトでも取得可能だ。
ステップ2. 車庫証明の申請書に記入する
次に、入手した車庫証明の申請書に記入しよう。
記入方法が間違っていると、車庫証明の処理がスムーズに進まないため、注意してほしい。
車庫証明の申請書の書き方については、車庫証明の申請書と書き方の章にてサンプルつきで紹介している。
ステップ3. 警察署で車庫証明の申請を行う
次に、記入した車庫証明の申請書をもって、警察署の窓口で申請しよう。
車庫証明の申請を行うのは、「駐車場の所在地を管轄している警察署」だ。
たとえば、自宅住所がA市にあり、駐車場がB市にある場合は、B市を管轄している警察署で車庫証明の申請を行う。
また、車庫証明を申請するときに2,000〜2,500円ほどの申請手数料を支払うので、現金を持参しよう。
ステップ4. 警察署で車庫証明を受け取る
次に、申請時に指定された交付日に警察署に出向き、車庫証明を受け取ろう。
以上で、車庫証明の取得は完了だ。
車庫証明の取得にかかる時間は、早ければ3日ほど、遅ければ1週間ほどとなっている。
土日・祝日をはさむと取得までに時間がかかる場合があるため、注意してほしい。
【重要】賃貸駐車場はオーナーや管理会社に連絡すること
賃貸駐車場を利用する人が車庫証明を取得する場合は、駐車場のオーナーや管理会社に連絡し、「保管場所使用承諾証明書」を作成してもらう必要がある。
「保管場所使用承諾証明書」は利用者自身で作成できず、必ず駐車場のオーナーや管理会社に作成してもらわなければならない。
駐車場のオーナーや管理会社への連絡を面倒くさがり、「保管場所使用承諾証明書」を自分で作成してしまうと、私文書偽造にあたる。
実際に私文書偽造罪で起訴されたケースがあるので、必ず駐車場のオーナーや管理会社に連絡し、「保管場所使用承諾証明書」を作成してもらおう。
車庫証明の申請書と書き方

ここでは、車庫証明の申請書の種類と、書き方について紹介する。
車庫証明の申請に必要な書類は、以下のとおりだ。
- 自動車保管場所証明申請書 ※
- 自動車保管場所届出書 ※
- 保管場所使用権原疎明書面(自認書) ※
- 保管場所使用承諾証明書 ※
- 保管場所の所在図・配置図
※ 車のタイプや駐車場の利用形態によって必要の有無が変わる申請書
「自動車保管場所証明申請書」は普通車で必要となり、「自動車保管場所届出書」は軽自動車で必要となる。
「自認書」は駐車場が自己所有の場合に必要となり、「保管場所使用承諾証明書」は駐車場が賃貸の場合に必要となる。
「保管場所の所在図・配置図」については、全員共通で必要な書類だ。
\車庫証明の必要書類・早わかり図/

それでは、各申請書の書き方をサンプルつきで紹介していく。
「自動車保管場所証明申請書」の書き方

「自動車保管場所証明申請書」は、車庫証明を取得する車が普通車である場合に提出する申請書だ。
<書き方のポイント>
- 「車名」は車種名ではなくメーカー名を記入する
- 「型式」「車台番号」「自動車の大きさ」は車検証に記載されている内容を記入する
- 「使用権限」は駐車場が自己所有・他人所有(賃貸)・共有の該当する部分に丸をつける
- すでに駐車場を持っている(借りている)場合は「代替」に丸をつけて、使用している車のナンバーを記入する
- 新しく駐車場を持つ(借りる)場合は「新規」に丸をつける(ナンバーの記入は不要)
「自動車保管場所届出書」の書き方

「自動車保管場所届出書」は、車庫証明を取得する車が軽自動車である場合に提出する申請書だ。
<書き方のポイント>
- 軽自動車を新たに取得した場合は「新規」に丸をつけ、「自動車区分」の「軽」に丸をつける
- 「型式」「車台番号」「自動車の大きさ」は車検証に記載されている内容を記入する
- 「使用権限」は駐車場が自己所有・他人所有(賃貸)・共有の該当する部分に丸をつける
- すでに駐車場を持っている(借りている)場合は「代替」に丸をつけて、使用している車のナンバーを記入する
- 新しく駐車場を持つ(借りる)場合は「新規」に丸をつける(ナンバーの記入は不要)
「保管場所使用権原疎明書面(自認書)」の書き方

「自認書」は、駐車場が自己所有である場合に提出する申請書だ。
<書き方のポイント>
- 普通車は「証明申請」に丸をつけ、軽自動車は「届出」に丸をつける
- 「土地・建物」のどちらも自己所有であれば、どちらにも丸をつける
「保管場所使用承諾証明書」の書き方

「保管場所使用承諾証明書」は、駐車場が賃貸である場合にの提出する申請書だ。
ただし、「保管場所使用承諾証明書」を記入・作成するのは駐車場のオーナーや管理会社であり、利用者本人ではない。
車庫証明を取得するにあたっては、「車庫証明が必要だから」と駐車場のオーナーや管理会社に連絡し、「保管場所使用承諾証明書」を記入・作成してもらおう。
「保管場所の所在図・配置図」の書き方

「保管場所の所在図・配置図」は、駐車場の位置や、駐車場所の詳細を記入する申請書だ。
駐車場が自己所有か賃貸かにかかわらず、提出が必要となる。
<書き方のポイント>
- 「所在図記載欄」は周辺情報を交えて自宅と駐車場の位置関係をわかりやすく描き、自宅と駐車場の直線距離を記入する
- 「配置図記載欄」は駐車場の詳細図を描き、駐車所の平面寸法、出入り口と隣接している道路の幅を記入する(駐車場に高さ制限がある場合は記入する)
「所在図記載欄」については、駐車場が自宅にある場合は記入を省略できる。
「配置図記載欄」は省略できないため、しっかり記入しよう。
申請書のサンプルをPDFでダウンロード
ここまで紹介した申請書のサンプルをPDFにまとめたので、ダウンロードして活用してほしい。
車庫証明の申請で必要なその他の書類

車庫証明の申請において、申請書以外に「使用の本拠の位置が確認できる書類」の提出が必要となる。
これは、車のタイプや駐車場の利用形態にかかわらず、車庫証明を申請するすべての人が提出必須の書類だ。
<使用できる主な書類>
運転免許証、マイナンバーカード、電気・ガスなどの公共料金の領収書、消印のある郵便物、車検証(軽自動車のみ)など
重要なポイントは、車庫証明の申請書に記載した「自動車の使用の本拠の位置(使用者が居住している住所)」が確認できることだ。
車庫証明の取得をスムーズに進めるためにも、いずれかの書類を用意しておこう。
車庫証明の交付にかかる期間と手数料

ここでは、車庫証明の交付にかかる期間と手数料について紹介する。
申請から3日〜1週間ほどで交付される
車庫証明は、管轄の警察署に申請してから3日〜1週間ほどで交付されるのが一般的だ。
交通課の警察官に余裕があれば、翌日や2日後と短期間で交付されることもある。
ただし、春・秋の実施される交通安全運動期間は、交通課の警察官にとって繁忙期なので、交付まで時間がかかると考えられる。
申請手数料は2,000〜2,500円
車庫証明の申請にかかる手数料は、2,000〜2,500円であり、都道府県によって金額が異なる。
以下は、都道府県ごとの手数料一覧だ。

警察署窓口での支払い方法は、現金払いのほか、クレジットカードやQRコード決済にも対応している。
ただし、警察署によっては「原則キャッシュレスのみ」と定めている場合もあるので、現金とキャッシュレス決済のどちらも用意しておこう。
代行費用は10,000〜30,000円ほど
車庫証明の取得は、カーリースに代行してもらうことも可能だ。
代行費用の相場は10,000〜30,000円ほど(申請手数料を含む)だが、カーリースによって金額が異なるため、担当者に確認しよう。
また、カーリースによっては、車庫証明の取得代行の費用がリース契約に含まれている場合もある。
車庫証明の取得代行の費用がリース契約に含まれているかどうかは、カーリースの担当者に確認しよう。
カーリース契約に必要な車庫証明以外の書類

ここでは、カーリースの契約に必要な、車庫証明以外の書類について紹介する。
運転免許証
運転免許証は、カーリースの契約にあたって必ず必要な書類だ。
提出のタイミングはカーリースによって異なり、公式サイトから仮審査を申し込むときに、運転免許証の画像をアップロードするケースもある。
それ以外については、仮審査に申し込んだ後や、契約を進める段階で提出を求められる。
住民票の写し
カーリースによっては、住民票の写しの提出を求められることもある。
ちなみに、住民票の写しとは「住民票原本に記載されている事項を写したもの」であり、市区町村の役所で取得できる。
「住民票の写しをコピーしたもの」ではないため、注意してほしい。
また、住民票の写しは「3ヶ月以内に発行されたもの」と有効期限が決められている場合がある。
カーリースの契約に住民票の写しが必要な場合は、新たに取得しよう。
印鑑証明
カーリースの契約では、印鑑証明(印鑑登録証明書)が必要なケースが多い。
印鑑証明とは、市区町村の役所に印鑑(実印)を登録し、それが本人のものであることを証明する書類だ。
印鑑登録をすでに行なっている人は、市区町村の役所で印鑑証明を取得しよう。
印鑑登録をまだ行なっていない人は、要件を満たした印鑑(実印)をもって、市区町村の役所で印鑑登録を行おう。
\印鑑登録の要件/

ちなみに、三文判(大量生産された印鑑)でも印鑑登録は可能だが、悪用リスクが高いため推奨されていない。
印鑑登録可能な印鑑を持っていない場合は、近所のハンコ屋で購入するか、オンラインショップで購入しよう(オンラインの場合は2,000円〜で作成可能)。
契約関係書類
カーリースを契約するないたって、欠かせないのは契約関係書類だ。
カーリースの契約関係書類は、審査通過後に自宅に届くので、担当者の指示にしたがって不備なく記入しよう。
記入した契約関係書類を返送し、カーリース会社(オートリース会社)がそれを受理した時点で「成約」となるカーリースが多い。
おわりに

本記事で紹介した内容をまとめる。
- 車庫証明は車の保管場所を証明するもの
- カーリースの契約でも車庫証明が必要
- 軽自動車は地域によって「届出」が必要
- 車庫証明は契約進行中に取得するのがおすすめ
- 自分での取得が難しい人は代行を依頼しよう
- 代行費用が含まれているカーリースもある
- 車庫証明の詳細は担当者に確認しよう
カーリースで車を利用するにあたって、車庫証明の取得は必須だ。
そのため、本記事で紹介した車庫証明の取り方や申請書の買い方を頭に入れておくと、カーリースの契約をスムーズに進められるだろう。
また、車庫証明を自分で取るのが難しい人は、カーリースに代行をお願いしよう。
代行費用がかかるカーリースもあるが、代行費用がそもそもリース契約に含まれているカーリースもある。
これについてはカーリースの担当者に確認を取った上で、代行を依頼するか自分で取得するかを判断してほしい。
カーリースは車庫証明について大まかに理解できたら、次におすすめカーリースを知り、仮審査にさっそく申し込んでみよう。